金正男氏の遺体を防腐措置 さらなる長期間に備え
2017.04.05 政治・社会【クアラルンプール共同】マレーシアのザヒド副首相は14日、クアラルンプール国際空港で先月13日に殺害された北朝鮮の金正男氏の遺体を防腐措置したと明らかにした。殺害から1カ月が経過したが、親族から遺体引き取りの申し出がなく、引き渡しまでさらに時間がかかることに備えるためとみられる。
副首相は「遺体を長期間、安置所に置いておくと腐敗の恐れがある」と指摘。14日付のマレーシア紙ニュー・ストレーツ・タイムズによると、遺体は12日に安置所から運び出され、防腐措置を施されて、約3時間後に安置所に再び戻された。
死因に関し北朝鮮は「心臓発作の可能性が濃厚」と主張するが、マレーシア警察は猛毒の神経剤VXが使われたとしている。
北朝鮮は、殺害されたのは北朝鮮国籍の男性として事件直後から遺体の即時引き渡しを要求。一方、マレーシア政府は、遺体を正男氏の親族に引き渡すことを最優先にするとしている。
副首相は13日、いまだに親族から遺体の引き取りの申し出がないと述べ、スブラマニアム保健相も同日、親族からの申し出を待つと改めて強調した。