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北朝鮮容疑者が詳細指示か 正男氏殺害で実行犯供述
北朝鮮容疑者が詳細指示か 正男氏殺害で実行犯供述
2017.04.10
政治・社会
【クアラルンプール共同】北朝鮮の金正男氏を猛毒の神経剤VXで殺害したとされるインドネシア国籍のシティ・アイシャ被告(25)=殺人罪で起訴=が、事件現場で北朝鮮国籍の容疑者に付き添われ「あの灰色の服を着た男を狙え」などと細かい指示を受けたと供述していることが26日、関係者の話で分かった。
関係者によると、被告はいたずら番組制作を手掛ける「中国人のチャン」を名乗る男に指示されたと供述。事件後に北朝鮮に帰国したとされる4容疑者のうちホン・ソンハク容疑者とみられる。
男は犯行前日の2月12日、翌13日午前8時に空港に来るよう命じた。一緒に空港の飲食店で正男氏を待ち「相手は金持ちでプライドが高い。終わったら手を洗い、すぐ立ち去るように」と念を押したという。
正男氏が現れると男は「よそ見をして手を差し出して」と言い、機械油のような異臭がする液体を被告の手に付けた。被告は正男氏の背後から近づいて顔を触った。振り向いて「あなたは誰」と英語で尋ねた正男氏に、被告は両手を合わせて謝り、立ち去ったという。
被告は事前に渡されたタクシー券で帰宅。被告は正男氏の死亡は知らなかったといい、勤務先のマッサージ店で働き続け、2月16日に逮捕された。
被告は事件までの約1カ月間にマレーシアやカンボジアで十数回の“予行演習”をさせられたとも供述。標的は中国系の男性で、顔全体を両手で上から下に触るように指示されていた。演習で使った液体に異臭はなかったといい「何回も同じことをしたのに、正男氏が死んだなんて信じられない」と話している。
実行犯とされるアイシャ被告とベトナム国籍の女は無罪を主張しているが、マレーシア当局は毒物と認識した上で殺害したとみている。
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