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北朝鮮男性を国外退去 マレーシア、証拠不十分 正男氏殺害、解明厳しく
北朝鮮男性を国外退去 マレーシア、証拠不十分 正男氏殺害、解明厳しく
2017.04.05
政治・社会
【クアラルンプール共同】北朝鮮の金正男氏殺害事件で、マレーシア当局は3日、事件に関与した疑いで逮捕されていた北朝鮮国籍のリ・ジョンチョル氏(46)=クアラルンプール在住=を証拠不十分で釈放し、有効な旅券を所持していなかったとして国外退去処分とした。リ氏はクアラルンプールから北京に向かう航空機に搭乗した。北京経由で北朝鮮に送還されるとみられる。
事件に関与した疑いがあるとされた北朝鮮国籍の8人中、警察が身柄を確保している人物はいなくなった。マレーシア国営ベルナマ通信は3日、8人のうち1人に逮捕状が出たと伝えたが、逮捕の見通しは立っておらず、リ氏の出国で真相解明は厳しさが増した。
リ氏は2月17日に逮捕され、3日が勾留期限だった。地元メディアによると、リ氏は関与が疑われる別の北朝鮮人がクアラルンプール国際空港に来た際に使った車の所有者だったため逮捕につながった。宿泊先の手配や現場の案内など後方支援を担当、北朝鮮の情報機関、偵察総局の工作員とも報じられた。
だが、警察はリ氏の車を発見できず、事件との関連を裏付ける証拠が得られなかったという。北朝鮮は釈放を求めていた。
3日夜、航空機に搭乗したリ氏は、北朝鮮の当局者2人に挟まれる形で着席。時折笑顔を浮かべながら携帯電話で話していた。「事件についてどう思うか」との記者からの質問には下を向いたまま答えなかった。
逮捕状が出たと3日伝えられたのは、北朝鮮国営の高麗航空職員キム・ウクイル容疑者。警察が行方を追う在マレーシア北朝鮮大使館2等書記官と共に、大使館にかくまわれているとの情報がある。警察の捜査を非難する北朝鮮が2人の聴取に協力する気配はない。
一方、マレーシア外務省は3日、猛毒の神経剤VXが公共の場で使用されたことを「一般市民を危険にさらす行為だ」として非難する声明を発表した。
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