放射能物質を含む機器を盗難 8人を逮捕
2017.02.27 政治・社会スランゴール州南クラン警察は13日、石油・ガス関連の品質検査会社から放射能物質が含まれるプロジェクター2台を盗んだ疑いで8人を逮捕したことを発表した。
警察発表によると、この会社で働く従業員4人が金目的のため、9日にこの検査会社からプロジェクターを盗み、そのリードカバーのみを外して、クラン市パダン・ジャワ地区の廃棄物処理業者に転売したという。警察は原子力許認可委員会(AELB)と協力して、リードカバーをこの廃棄物処理業者の敷地内で発見。この際に業者4人も逮捕した。劣化ウランとイリジウム192という放射性物質が含まれる内部機器はシャーアラムのデサ・ラタニア地区のアパートメントの敷地内のゴミ捨て場に捨てられていた。容疑者はいずれも男性で、26~37歳。テロ組織とは関係ないとみられている。
盗まれたプロジェクターは石油・ガス管の溶接の検査向けに主に使われている。
警察は、放射性物質が捨てられていたアパートメントや付近の住民らに放射能に被ばくしている恐れもあるため、健康診断を受けるようすすめている。
劣化ウランは人体に入ると肝臓や腎臓障害などを引き起こし、ガン発生率も高くなる。また、イリジウム192は人工放射能で、主に非破壊検査で使用される。体に密着すると1時間で30シーベルト以上を被ばくし、年間被ばく線量の1万倍の数値で、被ばくした場合は確実に急性放射線障害となる。(Mtown)