下院議員の来年の解散総選挙は必要ない=首相
2016.12.09 政治・社会ナジブ首相は11月27日、来年の解散総選挙は必要ないだろうと述べた。政府幹部が来年6月までに首相が下院を解散させるだろうとの見通しを示していたのを否定した形だ。下院議員の任期満了は2018年8月で、ぎりぎりまで解散しない可能性も出てきた。一方で、12月1日には与党の統一マレー国民組織(UMNO)の年次総会のスピーチで首相は解散時期について「近いうちに」とも述べた。
2013年の総選挙では首相は任期満了直前まで解散しなかった。このときは史上初の政権交代が実現するとの期待があったが、与党連合は政権を維持。与野党の獲得議席はほとんど変わらなかったが、得票数では野党が与党連合を上回る事態となった。
2009年に首相に就任したナジブ首相は現在、政府系投資会社1MDBの資金流用疑惑で野党から退陣を迫られているうえ、国内経済の停滞で国民の間では不人気が続く。
首相は、世界経済が回復しており、来年には現在の国内経済がよくなるだろうとの見通しを示し、回復してから解散したい意向のようだ。
首相はまた、国際石油価格の低迷で国内経済にも直撃していることを踏まえ、「1バレルあたり60~70米ドルが好ましい」とも語った。(Mtown)