ナジブ元首相の地盤が他候補に
2022.11.02 政治・社会11月1日に発表された与党・国民戦線(BN)の公認立候補リストにナジブ元首相の名前はなかった。政府系ファンド1MDBの資金不正流用事件で有罪判決が確定し、立候補資格がなくなったことから、同元首相の地盤は別の候補者が立てられた。
元首相の地盤はパハン州プカン。同州スルタンの王宮があるところで有名だが、この土地は父であるラザク第2代首相が1959年の総選挙で立候補して以来、ラザク家の地盤だった。
第2代首相は1976年に急逝し、息子のナジブ氏が地盤を引き継いだ。1982年の総選挙で同氏は下院議員に立候補せず、州首相になるため州議会議員のみに立候補して当選した時期を除き、一貫して同氏が当選してきた。
今回の総選挙で息子のモハマド・ニザール氏が出馬を目指してきたが、「政治経験がない」との理由で下院議会選挙のリストには含まれなかった。ただ、州議会議員候補として公認リストに入り、当選すれば今後研鑽を積んでいくことになる。
69歳のナジブ元首相は、国王による恩赦がない限り、12年間服役することになっている。ただ、元首相はほかの刑事事件でも起訴されており、さらに服役期間が長くなる可能性もあり、政治的な復権はいつになるか不透明だ。