
【旬な話題を訊くVol.1】貴社の工場は大丈夫? 違法操業は事前に防げる! with Plus PM
スランゴール州政府は先に州内で5589軒の工場が違法に操業している旨を明らかにし、日系企業の間でも話題になっています。
実際どのような違法が多いのか、 その対策についても専門家に聞きました。
今回お話を伺ったのは……建築関係の専門家
Plus PM Consultant Sdn.Bhd.
Asst Marketing Manager
奥田周平 氏
“よりお客様の立場でプロジェクトに関わりたい”という想いから、株式会社プラス PM へ入社。
後、マレーシア拠点であるPlus PM Consultant Sdn.Bhd.へ異動。日系企業様のアセアンプロジェクトを担当。
まず、違法操業の摘発は突発的なものではありません。これまでも断続的に監査 は行われていましたが、河川への廃棄物垂れ流しにより首都圏で大規模断水となっ たことから環境関連の違法を中心に今回は摘発したのでしょう。
工場を稼働させるには多岐の許可証が必要で、竣工適法証明書(CCCまたはCF)、土地の登記上の用 途や消防関連(BOMBA)、環境関連(DOE)、増築改修における変更申請(ADO&ABP)があります。
これまで様々な建設プロジェクトに関わりましたが、特に10年以上の古い工場の 場合、過去は問題なかったものも、法規制の変更等で現行法規に適合していない建物が多いです。
ちょっとした増築や改修でも役所へ申請する必要があります。
しかし、事業主は知らずに工事を行い、施工業者やオーナーも「申請しなくていい」との誤った認識を持つことが多く、そのままにしているケースも見られます。
本来、ビジネスライセンスを取得するためには、建造物におけるCCCが必要です。 建物取得時に事業主は、オーナーからCCCを渡されてビジネスライセンス申請ができます。
しかし、事業主が賃借や購入後に改修や増築する場合は、別途申請して各諸官庁から許認可を得る必要があります。
ただ、申請をすると現行法規に従うように当局からは言及されることから、事業主は申請しないことを黙認、または申請が必要であることが分からずそのままにするケースが多くあります。
事業を続行するために賃借または購入後に事業主が行う工事で本来取得するCCCを使わず、オーナーからのCCCを利用して各諸官庁への許認可を取っていなかったことから、多くの操業で「違法」とみなされたのでしょう。
すでに増築や改築を行っており、役所へ未申請の場合、改めて当局との協議が必要です。一概には言えませんが、申請せずに改修した違法状態から順法化工事を行う場合は、建物の規模や状況にもよりますが1〜2年かかる場合もあります。
このため、事業を止めず当局とどう工程を詰めていくかが肝要になります。
違法操業にならないためには、まず物件の購入・賃借前に第三者的な専門家から意見を求めることです。
マレーシアの建造物は意図せずに違法物件となっているケー スが多い上、日本の法律とは違い、買い手が自分の責任で瑕疵の有無を確認する必要があります。
取得後に違法を発見して合法化するには時間もコストもかかり、場合によってはプロジェクト自体が成立しなくなる恐れもあります。
こういったことを避けるためにもまずは専門家に相談しましょう。
Plus PM Consultant Sdn.Bhd.
所在地:16-16, Level 16, Wisma UOA II, Jalan Pinang, 50450 Kuala Lumpur, Malaysia
TEL:+60-3-2712-0263
Email:contact@plusweb.co.jp
サービス内容:プロジェクトマネジメント/コンストラクションマネジメント/建物調査
マレーシアの首都クアラルンプールを拠点として、アセアン全域の建設プロジェクトの支援をしています。
お客様が求めるコスト、品質、スケジュールの実現を目指し、アセアンの建設プロジェクトに精通した技術者があらゆる課題を豊富な経験で解決します。